はじめに
2026年5月末日、私は勤めていた外資系総合人材派遣会社を「会社都合」により退職しました(※退職の具体的な理由については契約上差し控えさせていただきます)。
「退職後に何をどの順番で手続きすればいいのか分からない」
「会社都合退職の場合、どんな公的支援や注意点があるのか知りたい」
退職直後は、今後の生活やキャリアへの不安とともに、公的な手続きの多さに戸惑う方も多いはずです。
今回は、私が退職した6月からの期間に実際に行った「離職票等の書類受け取り」「役所での手続き(健康保険・年金・住民税)」「ハローワークでの失業保険申請」について、実体験を交えながらわかりやすく解説します。
1. 会社から届く書類の確認と到着の目安
退職後、公的な手続きを進めるためには会社から届く書類が必要です。まずは自宅に書類が届くのを待ちます。
主に届く書類
- 雇用保険被保険者離職票(離職票-1、離職票-2):ハローワークで失業保険を申請する際に必須です。
- 社会保険等資格喪失証明書:健康保険や年金の切り替え手続きに使用します。
- 源泉徴収票:確定申告や次の転職先への提出に使用します。
書類が届く時期の目安
通常、退職日から1週間〜2週間程度で自宅に郵送されます。
離職票は会社がハローワークで手続きを行ってから発行されるため、会社の処理状況によっては2週間前後かかることもあります。もし届かない場合は、元職場の担当窓口へ確認しましょう。
2. 役所(市区町村窓口)で行う切り替え手続き
必要書類が手元に届いたら、お住まいの市区町村役所(役場)で社会保険・税金関係の手続きを進めます。
(1)健康保険の切り替えと「軽減申請」の手順
退職に伴い、会社の健康保険から別の保険へ切り替える必要があります。選択肢は主に以下の2つです。
- 国民健康保険(国保)への加入
- 会社の健康保険を任意継続する(最長2年間)
会社都合退職の場合、「非自発的失業者に対する国民健康保険料の軽減制度」を利用できます(前年の給与所得を一定割合に減額して保険料を計算する仕組み)。
【重要】国保軽減申請は「2段階」になる点に注意!
この軽減申請を行うには、ハローワークで失業保険の受給手続きをした後に交付される「雇用保険受給資格者証」が必要になります。そのため、実際の手続きは次のような流れになります。
- ステップ1(退職直後): 役所で健康保険から国民健康保険への切り替え加入を行う
- ステップ2(書類受取後): ハローワークで失業保険の受給申請を行い、「雇用保険受給資格者証」を受け取る
- ステップ3(ハローワーク後): 再び役所の国保窓口へ行き、雇用保険受給資格者証を提示して「軽減申請」を行う
退職直後の加入手続き時点では軽減申請ができない場合が多いため、二度手間にならないよう流れを把握しておくとスムーズです。
(2)年金の切り替えと免除申請(厚生年金 ➡ 国民年金)
厚生年金から国民年金(第1号被保険者)への切り替えを行います。
会社都合退職による「特例免除制度」
会社都合での退職(特定受給資格者・特定理由離職者など)に該当する場合、申請により国民年金保険料の免除が認められる「特例免除制度」が利用できます。
【要注意】「7月の年度更新」による申請の落とし穴
国民年金の免除サイクルは、「毎年7月〜翌年6月」が1年度となっています。
そのため、5月末退職で6月に手続きを行う場合、2回(2年度分)の申請が必要になります。
- 1回目: 6月分(旧年度分の免除申請)
- 2回目: 7月以降分(新年度分の免除申請)
6月末に一度免除申請を行っても、7月からは新しい年度に切り替わるため、改めて新年度分の免除申請を行う必要がある点には十分注意してください。
(3)住民税の手続き(支払い相談と延期・減免)
退職後に忘れてはならないのが住民税の扱いです。
会社員時代は給与から天引き(特別徴収)されていましたが、退職後は自分で納付書を使って支払う「普通徴収」に切り替わります。
実体験:7月に届いた納付書をもとに支払い相談
私の場合は、退職後の7月に住民税の徴収通知(納付書)が届きました。前年の所得に応じた金額がまとまって請求されるため、すぐに全額を支払うのが難しく、管轄の役所へ支払い相談に行きました。
相談した結果、督促状をもとに支払いの延期(猶予)手続きを行ってもらうことができました。
自治体によっては、会社都合退職など非自発的な失業による減収に対して住民税の減免や免除制度が用意されているケースもあります。納付が厳しいと感じたら放置せず、納付書が届いた段階で早めに地元の役所窓口へ相談することをおすすめします。
3. ハローワークでの失業保険(雇用保険)申請
離職票が届いたら、速やかに管轄のハローワークへ行き、求職の申し込みと失業手当(基本手当)の受給申請を行います。
会社都合退職と自己都合退職の違い
失業保険は、退職区分(離職理由)によって受給条件や給付開始時期が大きく異なります。
| 項目 | 会社都合退職(特定受給資格者など) | 自己都合退職(一般離職者) |
| 受給要件(被保険者期間) | 離職前1年間に通算6ヶ月以上 | 離職前2年間に通算12ヶ月以上 |
| 待期期間 | 7日間 | 7日間 |
| 給付制限期間 | なし(待期期間満了後に受給開始) | あり(原則1〜2ヶ月の制限期間) |
| 受給開始の目安 | 申請から約1ヶ月後 | 申請から約2〜3ヶ月後 |
| 所定給付日数 | 年齢や被保険者期間に応じて手厚い | 会社都合に比べて短い |
会社都合退職の最大のメリット
自己都合退職では7日間の待期期間の後に1〜2ヶ月ほどの「給付制限期間」が課されますが、会社都合退職の場合は給付制限期間がありません。
7日間の待期期間が経過すれば受給資格が発生し、約1ヶ月後に設定される「第1回失業認定日」を経て速やかに基本手当が支給されます。生活費の不安を最小限に抑えられるのは非常に大きなメリットです。
【公式動画で確認】失業保険受給の全体的な流れ
ハローワークでの失業保険受給の仕組みや認定日のルール、求職活動実績の作り方などについては、厚生労働省が公式動画で詳細をわかりやすく解説しています。手続き前に一度確認しておくと安心です。
4. 退職後1〜2ヶ月の手続きチェックリスト
| 時期 | やること | 提出先・持ち物 |
| 退職直後(1〜2週目) | 会社からの書類到着を待つ | 自宅ポスト確認(離職票1・2、資格喪失証明書) |
| 書類到着後(2〜3週目) | 国民健康保険・国民年金への切り替え加入 | 市区町村役所(資格喪失証明書、本人確認書類等) |
| 同上 | 国民年金保険料の免除申請(6月分) | 役所の年金窓口(離職票などの退職理由が分かる書類) |
| 書類到着後(速やかに) | ハローワークで求職申込み&失業保険申請 | ハローワーク(離職票1・2、写真、本人名義の通帳・カード等) |
| 7月上旬 | 国民年金免除の再申請(新年度分) | 役所の年金窓口 |
| 雇用保険受給資格者証の受領後 | 国民健康保険の「非自発的失業者軽減申請」 | 役所の国保窓口(雇用保険受給資格者証を持参) |
| 7月中旬〜下旬(納付書到着時) | 住民税の支払い・猶予・減免相談 | 役所の税務窓口(住民税の納付書を持参) |
まとめ
会社都合退職は想定外の環境変化で精神的な負担も大きいですが、セーフティネットとしての公的支援は自己都合退職よりも手厚く用意されています。
- 失業保険: 給付制限がなく、早期に支給開始
- 国民年金: 特例免除制度あり(※7月の年度更新に注意)
- 国民健康保険: 受給資格者証を使った大幅な保険料軽減制度あり
- 住民税: 支払いが厳しい場合は役所で分割・猶予・減免の相談が可能
必要な書類が届いたら放置せず、段取りよく役所やハローワークへ足を運び、受けられる支援をしっかりと活用していきましょう。



